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カエル産卵のための保全作業

2022.3.1
外来種防除

小宮公園ではヤマアカガエル、ニホンアカガエルともに絶滅していました。
NPO birthが公園の管理運営に参画してから、現地調査を進め、連続する丘陵の、公園から400mのところで繁殖しているのが分かりました。地主さんに頼み、卵を分けてもらい、仔ガエルになるまで育成。その後、園内に作ったカエル産卵用のビオトープに放しています。昨年の春は3頭のオスがビオトープに戻り、メスを呼ぶ鳴き声が確認できました。今年は産卵に期待しています。地域の遺伝子による園内絶滅種の復活です。


<▲園内で確認されたヤマアカガエル成体>

センサーカメラの調査では、カエルの天敵であるアライグマが、毎晩ビオトープに出没することが確認されています。このため、産卵場所の上から鉄製のメッシュをかまぼこ型に被せました。5cmメッシュなので、アライグマの頭(約10cm)は、入れません。


<▲水辺でのエサ取りが上手いアライグマ>


<▲レンジャーによるアライグマ除けネット設置している様子>


<▲沢沿いに12mの長さでかまぼこ型にメッシュを連結、設置。途中3か所にダムを設け、水深を15cm前後に調整>


<▲金属メッシュは10cm間隔のもの2枚ずらして固定し、アライグマの頭が入らない5cm間隔に調整>

 

滝山公園では、ニホンアカガエル、アズマヒキガエルが産卵をしにきますが、両種の生息数も、この10年ほどで劇的に減少していると見ています。こちらの公園でも上記と同じように、食害を防除するため、アライグマ除けネットを設置しました。


<▲滝山公園に設置した小型メッシュとダム(約2×1m)>


<▲ダムに排出口を設けるのがポイント。これがないと水があふれた場所の土が流れ、保水力がなくなる>

カエル類は里山生態系にとって非常に重要な存在であり、子どもたちにも人気があります。
悲願達成に向け、毎年工夫と努力を重ね、産卵まであと一歩のところまで来ています。

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