NPO birth

2023.12.11
自然環境マネジメント

加賀電子が本社ビル屋上にビオトープを創出!

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#企業緑地
#屋上ビオトープ
#生物多様性管理

JR秋葉原駅近くの加賀電子株式会社 本社ビル屋上に、2023年5月にビオトープができました。企業が取り組む生物多様性の普及啓発のためのプロジェクトを、NPO birthが監修しています。

加賀電子の屋上ビオトープ

都会にできた新しい生き物たちの住処

JR秋葉原駅の近くに、エレクトロニクス商社の加賀電子株式会社本社があります。
生物多様性の普及のため、2023年5月からこのビルの12階屋上にビオトープができ、
NPO birthが監修を行っています。
ビオトープができてから半年が経ち、徐々に生物が確認できるようになりました。

実施年:2023年ー現在
実施場所:加賀電子株式会社 本社屋上

社員のくつろぐスペースに、新しくやって来た仲間たち

ここは社員の憩いの場となっている屋上庭園です。そこに植わっていた園芸植物を一部取り除き、ビオトープに作り替えました。ビオトープは4×3m、池は3m×1.5mほどと小さいですが、こだわりが詰まっています。

  1. 池の水深を段階的に変えることでエコトーンを再現し、環境を多様に。
  2. 本社ビルの位置と同じ荒川水系のビオトープから譲ってもらった土を使用。
  3. 池まわりの植栽には可能な限り東京の地域性種苗を使用。
  4. ビル屋上であるため、極めて防水・耐久性が高く、かつ軽い素材を採用。

5月に完成してから、これまで3回のモニタリング調査を実施しました。大都会のビルの屋上なので、歩くことしかできない生物はアプローチできませんが、トンボのような飛翔できる生物にとっては価値ある場所になっているはず。そう期待しながら、7~10月にかけて調査を行ったところ、さっそく5種類のトンボの飛来が確認でき、うち3種類はここで繁殖していることもわかりました。他にも数種類の水生昆虫が見つかっています。

直線距離で約1kmのところに上野恩賜公園、約2kmのところには皇居があり、これらがトンボの供給源になっていることが予測されます。今後、都心のビオトープ・ネットワークの拠点の1つとして、機能していくことを期待しています。

加賀電子屋上からの風景
大都会のど真ん中では、トンボにとってはオアシスのような存在かもしれない

都会で育む、ひとと生物の関係性

加賀電子は電子部品を扱う商社で、自然や生物とは直接的な関係がないように思えます。しかし、実はそうではありません。全ての社会活動は生物多様性に支えられている、加賀電子はそのことを重視し、生物多様性を保全するための事業に投資することを決めました。今後は、加賀電子の社員やその家族を巻き込みながら、社内での生物多様性の普及啓発を進めていく予定です。

<加賀電子の環境への取り組み> ※加賀電子株式会社様のサイトへ飛びます。
https://www.taxan.co.jp/jp/csr/conservation/index.html
※下方にビオトープの記載があります。

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